第52回横浜市発達障害検討委員会会議録 日時 令和2年8月21日(金)午前10時00分〜午前11時58分 開催場所 保土ケ谷公会堂1号会議室 出席者 渡部委員、平田委員、谷崎委員、高木委員、小川委員、寺田委員、西尾委員、池田委員、坂上委員、中野委員 欠席者 なし 開催形態 公開 議題 (1)令和2年度 横浜市発達障害検討委員会の進め方について (2)発達障害児・者に係る施策の取組について  ア 地域療育センターの抜本的な見直しについて  イ ペアレント・トレーニングについて  ウ 「特定相談日」に関する検討について  エ 特別支援教育の取組状況について (3)第4期障害者プラン素案について 議事 開会 (事務局)定刻になりましたので、ただいまより第52回横浜市発達障害検討委員会を開催いたします。本日の司会を務めます、健康福祉局障害施策推進課の川上でございます。よろしくお願いいたします。本日はマイクを使用いたしますが、新型コロナウイルスの感染症対策として、ご発言ごとにマイクを消毒させていただきますので、ご了解いただければと思います。  では、初めに、教育委員会事務局インクルーシブ教育担当部長の佐藤より挨拶申し上げます。 (佐藤部長)皆さんおはようございます。教育委員会事務局インクルーシブ教育担当部長の佐藤と申します。本日は本当にお暑い中、お忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。本検討委員会は、健康福祉局、こども青少年局、教育委員会の3局で事務局ということで進めさせていただいておりまして、代表ということでご挨拶させていただきます。今回から新たな任期、昨年度からおいでいただいている委員さんには新たな任期、そして新たな委員さんもお迎えしての検討委員会ということで始めさせていただきます。  平成30年から令和2年度まで2年間にわたる前任期におきましては、軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児・者への支援というテーマでご検討いただいたところです。平成30年度の本委員会の報告書を受けて、令和元年5月には、軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児・者に対する具体的な施策をどうしていくかということで、横浜市長から障害者施策推進協議会に諮問させていただきました。これを受けて、令和元年度の本委員会での議論を経て、令和2年、本年6月29日に開催されました横浜市障害者施策推進協議会で答申案が承認されて、同日付で横浜市長に答申いただいた、そういった経過でございます。この答申の内容については、これから横浜市で具体的な施策ということで展開していくことが必要だと考えております。また併せて、取組状況であるとか、取組による効果といったことにつきまして、定期的な確認・検証、そういったようなことを行うことも必要だと考えております。そのため、今年度の本委員会では、横浜市の発達障害児・者への施策展開ということで、評価・検証を中心にしました議論をお願いできればと考えているところでございます。  委員の皆様におかれましては、それぞれのお立場からぜひ忌憚のないご意見、そして鋭い指摘をいただくことを期待して、ご挨拶とさせていただきます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。 (事務局)では、議事に入る前に、委員の皆様に7月6日付で委嘱させていただくことをご報告申し上げます。本来ならば全ての委員の皆様お一人お一人にご就任のお礼のご挨拶を行うべきところですが、お名前の紹介に代えさせていただきます。略式で誠に恐縮ですが、どうぞよろしくお願いいたします。  それでは、五十音順にて委員の皆様をご紹介させていただきます。  NPO法人ユースポート横濱理事、及びよこはま若者サポートステーション副施設長の池田彩子委員でございます。再任でございます。  横浜市総合リハビリテーションセンター顧問の小川淳委員でございます。再任でございます。  神奈川LD等発達障害児・者親の会にじの会副代表の坂上尚子委員でございます。再任でございます。  横浜市中部地域療育センター所長の高木一江委員でございます。再任でございます。  関東学院大学教育学部こども発達学科教育実践センター副センター長の谷崎秀昭委員でございます。新任でございます。  かながわ地域活動ホームほのぼの統括施設長の寺田純一委員でございます。再任でございます。  横浜市自閉症児・者親の会会長の中野美奈子委員でございます。再任でございます。  横浜市発達障害者支援センターセンター長の西尾紀子委員でございます。再任でございます。  東洋英和女学院大学人間科学部准教授の平田幸宏委員でございます。再任でございます。  横浜国立大学大学院教育学研究科高度教職実践専攻教授の渡部匡隆委員でございます。再任でございます。  それでは、本日のご出席者数の確認をいたします。10名皆様のご出席となっておりますので、横浜市発達障害検討委員会運営要綱第7条第2項に規定されております委員の過半数を満たしていることをご報告いたします。  次に、今回が今期初の委員会となりますので、事務局のほうも紹介させていただきます。事務局名簿の中から出席者の紹介をさせていただきます。  健康福祉局障害施策推進課長の佐渡でございます。  こども青少年局障害児福祉保健課長の内田でございます。  先ほどご挨拶申し上げました教育委員会事務局インクルーシブ教育担当部長の佐藤でございます。  教育委員会事務局特別支援教育課担当課長の藤原でございます。  教育委員会事務局特別支援教育相談課長の畠山でございます。  以上が事務局となります。  それでは、議題に先立ちまして、本委員会の委員長を選出いたします。本検討委員会の委員長は、横浜市発達障害検討委員会運営要綱第4条により、委員の皆様の互選により決めると定められております。どなたかご意見もしくは推薦者はいらっしゃいますか。お願いいたします。 (小川委員)引き続き渡部先生に委員長をしていただければと思いますが、いかがでしょうか。 (事務局)ただいま小川委員から渡部委員をご推薦いただきましたが、よろしいでしょうか。 (異議なし) (事務局)それでは、渡部委員を本委員会の委員長といたします。  次に、職務代理者を選出いただきます。職務代理者につきましては、横浜市発達障害検討委員会運営要綱第4条第3項により、あらかじめ委員長が指名するものとなっておりますが、委員長いかがでしょうか。 (渡部委員長)推薦いただきましてありがとうございました。微力ではございますが務めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。  職務代理者ですが、これも引き続きということで平田先生にお願いできたらと思いますが、皆様いかがでしょうか。 (異議なし) (渡部委員長)平田先生にお願いしたいと思います。 (事務局)平田委員、よろしくお願いいたします。それでは、ここからは渡部委員長に議事進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。 議題 (渡部委員長)それでは、早速本日の会議を進めさせていただきます。本日の進め方につきまして、最初に若干ご案内をさせていただきたいと思います。今回は議題が1から3ということになっております。まず最初に、令和2年度の委員会の進め方で、その後、答申を受けて、発達障害者に係る施策の取組ということがございますので、それを順次ご説明いただいて、3番目に障害者プランの素案についてのご説明という風に進めてまいりたいと思いますが、よろしいでしょうか。 (1)令和2年度 横浜市発達障害検討委員会の進め方について (渡部委員長)それでは、最初に、今年度最初の議題である令和2年度の横浜市発達障害検討委員会の進め方について、資料1を基に私から説明させていただきます。  先ほど佐藤部長からのご挨拶の中でも触れられておりましたが、令和元年度に横浜市長から諮問を受けて、本来だと昨年度内にということだったのですが、コロナウイルスの影響で若干ずれまして、6月29日に開催されました令和2年度第1回の推進協――障害施策推進協議会に答申案として提出されまして、全員一致で承認ということで、その場で私から横浜市長に答申させていただきました。今回はその答申を受けて、具体的な施策として展開する初年度ということになります。  それで、本年度につきましては、この後、横浜市が具体的な施策として展開するということと同時に、様々なところで取組を進めていくことになってまいります。よく言われているとおり、取組状況や取組についての効果検証をきちんと行っていきながらしっかり進めていくことの必要性、いわゆるPDCAサイクルにおける取組が求められております。このことにつきましては、発達障害検討委員会あるいは今回の答申についても同様で、そのことを念頭に、特に今年度は、横浜市の発達障害者への施策展開に関する評価・検証を中心に議論を進めてまいりたいと思っております。もちろん、昨年度までご検討いただいた答申内容ということもそうですし、これまで本検討委員会が設置されて様々な議論、あるいは方向性というのが示されております。そのあたりも含めまして、取組についての振り返りということと、かつ、目標や活動指標に対してどのくらい取り組めているか。もちろん進んでいるところもあるし、なかなか苦戦しているところもあるかと思いますので、そのあたりを今回の検討委員会では中心的に確認していく。そこにイメージ図がございますけれども、これは全体的には横浜市の中で計画、実行、評価、アクションということで進めていくことになりますが、今回そのプロセスに関して本検討委員会においてその評価・検証を行っていくというふうに、今年度の取組を進めてまいりたいと考えております。  実は今年度の検討委員会は、今日とあと年度終わりの1回という非常に限られた回数になりますので、この検討というのがどのくらい深められるかということになりますが、少なくともこの2回にわたってこれまでの振り返りをしっかり進めていきながら、さらに今後の展開において、背中を押していくような形の委員会ということで本年度取り組むことができたらと考えております。  以上、非常に雑駁ではございますが、本年度の検討委員会の進め方について私から説明させていただきましたが、委員の皆様、何かご意見とかご質問がございましたらお願いしたいと思います。事務局から何か追加はございますでしょうか。 (佐渡課長)障害者施策推進協議会に3点重要なことをご報告しましたので、そこだけ報告させていただきます。  皆様から通算2年にわたってご議論いただいたこの答申の中で3つ重要な点ということで委員会には報告させていただいております。気づきの促進と未来につながる支援――R&BといっているRight Time & Bright Lifeですね。2点目が、地域社会全体の包括的な支援体制を構築していくことの重要性。3点目が、非常に議論のあった0次支援の重要性。この3点を報告させていただきましたことを皆様にも共有させていただきたいと思います。  ちなみに、余談ではございますが、この答申の渡部委員長のサインのところにありますイラストは、渡部先生の教え子の方が描かれた渡部先生のイラストということで、とてもかわいらしいと言ったら失礼ですが、掲載させていただきました。以上です。 (渡部委員長)答申に載せていいのかと非常に悩んだのですが、写真がなければ何かイラストをということになって、今回こういうことになって掲載させていただきました。ちょっとイメージを落としてしまうかもしれませんが、ご勘弁いただければと思います。  今、佐渡課長から資料2、資料3、すみません、追加の説明ができていなくて申し訳なかったのですが、それを含めまして今年度の取組ということについてご意見とかご質問はいかがでしょうか。  それでは、今回改めて振り返りということと、今後に向けての評価・検証を軸に今年度進めさせていただくということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。そういたしましたら、その方向で併せて何か課題や気になっていることなどありましたら、随時、今回と次回ということになりますが、ご発言やご指摘をいただければと思っております。  それでは、今年度の方向性について確認させていただいたということを踏まえまして、早速次の議題に入らせていただきます。 (2)発達障害児・者に係る施策の取組について (渡部委員長)発達障害児・者に係る施策の取組につきまして、(3)の次期障害者プランの検討の中でも触れられています。あるいは、資料の中にもその一部内容が示されているということもありますが、まずはアからエの代表的な取組についての現状、あるいは現状に対しての評価・検証も視野に置きながら確認してまいりたいと思います。  ア 地域療育センターの抜本的な見直しについて (渡部委員長)それでは、最初のアの地域療育センターの抜本的な見直しについて、まず事務局からご説明いただいて、その後、意見交換ということで進めてまいりたいと思います。事務局からご説明いただいてよろしいでしょうか。 (内田課長)  それでは、障害児福祉保健課内田からご説明申し上げます。  まず答申をご覧いただきたいのですが、答申の29ページでございます。こちらに、「就学前の対象者数増加に対する、支援体制の拡充【喫緊】」ということで示されております。この中の(2)求められることのところで、地域療育センターにおける療育体制の抜本的な見直しというのが書かれてございます。こちらは、これまでも療育センターはいろいろなニーズの増加等に対応してやってきたということではあるのですが、昭和59年の障害児地域総合通園施設構想というものに基づいた組織体制、枠組みの中で対応してきているということで、ニーズの多様化や利用者の増加になかなか対応するのが難しい状況になっているということでございます。ここで、答申における対象児も含めた障害児の療育体制の充実を図るためには、新たなセンター像を構築して実現に着実に取り組むことが必要ですというようなことが書かれてございます。なお、見直しにあたっては、本答申の範囲を超える内容も含まれます。というのは、こちらの答申は発達障害を対象とした答申ということになっておりますが、地域療育センターの対象者は発達障害に限りませんので、このようなただし書きをしているということでございます。  30ページに移って上のほうをご覧いただきますと何点か出されておりますけれども、医療前置の支援から、相談等の福祉型支援を拡充した総合的なチームによる支援への転換。保育所や幼稚園等との並行通園児が利用しやすい集団療育の提供。総合評価機能に基づく、専門性の高い障害児相談支援の拡充。関係機関等の対応力向上につながる支援の充実とそれに対応できる職員の確保・育成。きょうだい児を含む家族への支援の充実といったものが掲げられてございます。  これを受けて今からご説明いたしますのが、地域療育センターの抜本的な見直しについての取組でございます。こちらについては資料4をご覧ください。答申を受けて抜本的な見直し作業に着手しているという状況でございますので、現時点での検討内容についてこちらでご説明いたします。  1番は、地域療育センターあり方検討会、こういったものを立ち上げて検討しております。検討会の実施状況ですが、発達障害検討委員会での検討状況を確認しつつ、令和2年2月から7月までに5回の検討会を実施していて、今年の秋を目途に一定の方向性を取りまとめ、令和3年度より可能な範囲からの実施を目指します。答申が出たのが6月ということではあるのですが、答申を受ける以前から療育センターの課題というのは当然認識しておりましたので、早めに検討自体はスタートしているという状況でございます。それと、抜本的な見直しとなりますと見直し部分というものも大変広範囲にわたりますし、短期的な検討だけですぐに全てを見直すということもなかなか難しい面がございますので、可能な範囲から実施して複数年度にわたって見直し作業というのは行われていく予定でございます。 検討メンバーですが、地域療育センター及び横浜市総合リハビリテーションセンター、並びに各運営法人の代表ということで、15人ほどで検討してございます。この委員の中では、リハビリテーションセンターの小川委員がこのあり方検討会に参加していただいているところでございます。  また、地域療育センターの課題については、先ほど答申の中に書かれていたことと重複する部分はございますが、利用希望児の増加や障害の重度化・多様化、保護者ニーズの変化等から、通園療育を中心とした従来の仕組みでは十分なサービス提供ができないということ。それから、医師の診断を経ないとサービスが提供できない、こういった仕組みを改善するために取り組んでいる現在の支援策というのがございますが、これが地域療育センターのサービスとしてきちんと位置づけられていないということ。それから、これまでもサービスの見直しを図ってきておりますが、基本的なサービス提供方法や組織体制というものが変わっていないことが課題ということでございます。  この課題に対して、2番の検討の方向性でございますが、まず1つとしまして、インクルーシブ支援の充実と集団療育の見直しでございます。保育所・幼稚園との並行通園児に対し、集団療育や個別フォロー、保護者講座及び保育所等への支援等を組み合わせた効果的な支援を実施します。また、障害が重度である等の理由により保育所等の利用がなかなかできないお子さんに対しては、地域療育センターにおいて通園療育の機会をしっかり提供していくということでございます。  2つ目に、相談申込後、速やかにサービスが開始できる仕組みの構築。相談申込後の支援メニューをまず拡充するということと、医師を含めた専門スタッフによって障害像の把握と支援計画の立案、総合評価と呼んでおりますが、そういったものを行う体制をつくっていくということです。また、総合評価に基づき、必要な時期に必要な医療を提供するなど効果的な支援を行うということで、医師の診察を経ないとサービスが提供できないという今の仕組みをここで変えていこうということでございます。  3つ目ですが、地域療育センターの組織体制の抜本的な見直しです。先ほど申し上げましたように、組織体制が30年以上前のものを基本として成り立っておりますので、このような見直しを図っていく上では、そういった新たなサービス提供を行うために組織体制を改めていこうということでございます。  3番の今後の方向性ですが、後ほど説明がありますけれども、第4期の障害者プラン、それから中期計画、こういったものともしっかり連動させて着実に実施していこうということでございます。  まだ検討中ということで、はっきりどのように変えるかということが決定していないという状況でございますので、検討内容と方向性の説明にとどまって大変申し訳ございませんが、現時点でのご報告は以上でございます。 (渡部委員長)ありがとうございます。小川委員、何か関連して発言はございますか。 (小川委員)基本的には今ご説明いただいたとおりというか、こども青少年局、事務局の方も地域療育センターの状況を非常によく理解していただいているなというのが実感でして、その中でどのようにいい方向に進めていくかということが積極的に議論されているところです。あとは医療をどのように機能させていくかということが非常に重要だと思っていまして、答申にもありましたように、医療前置ではなくという言い方はしておりますけれども、あくまでもこれは医療は要らないということではなくて、やはり医療は、きちんとした評価をしてプランニングする上で非常に重要な役割を持つと。ただし、それをどのようにうまく機能させていくか。さらに、今は専門医が非常に不足している状況もございますので、その中でそれも含めて医療に活躍してもらうということを、どのようにこの仕組みの中に入れ込んでいくかということが非常に重要だと思っております。そこが若干、医療なしでいくということではなくて、ちょっと違うスタイルで医療に活躍してもらうということ。今までは医療がないとスタートしなかったというところを改めて、必ずしもそういう意味での医療依存ではない、新しい医療の活躍の場をつくっていきたいというのが一つ、大きなポイントになるのかなと思っております。  もう一つ、これはこども青少年局にも、事務局の方にもちょっと耳が痛い部分もあるかと思いますが、やはり地域療育センターの検討だけではどうにもならない部分があって、この検討会で議論されている、軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児のメインの生活の場は、やはり保育園、幼稚園、あるいは児童発達支援事業所になっていくんですね。そうすると、地域療育センターのことだけをやっていても、結果的にメインとなる生活の場が変わっていかない限り、なかなか解決にはならない。今までは全て地域療育センターがそういうことを担いますという形で進めてきた部分もあったかと思うのですが、そうではなくて、地域の幼稚園、保育園、あるいは児童発達支援事業所と、生活の場となるところが、発達障害あるいは発達障害の疑いのあるお子さんを含めて、どうやってうまく受け入れていけるのかということが非常に重要な要素ではないかと思っております。  そういうことを含めて、私もまた今後のあり方検討会の中でいろいろ意見を言っていきたいと思っております。以上でございます。 (渡部委員長)ありがとうございます。それでは、このことにつきましてご質問あるいはご意見ということで、取りまとめの途上でありますので、ぜひご発言いただければと思います。副委員長からご指名がありましたので、高木委員にお願いしてよろしいですか。 (高木委員)ご指名なので発言させていただきます。小川さんがおっしゃったとおりで、とうに地域療育センターだけで担っていくというのは、マンパワーもですし、機能としてもそこは弱くなっていると思います。実際に今、IQが高い人もなのですが、軽度の知的障害くらいの方々はかなりもう幼稚園、保育園が受け入れてくださる体制になっていて、実際に幼稚園、保育園の先生方は療育を半分担ってもくださっているのです。地域療育センターはそことタイアップしてアウトリーチの支援を拡充させていくことと、それからやはり、ずっと幼稚園、保育園ではなくて、時々週に1回とか月に何回かとか定期的に、集団療育や個別の療育みたいなものをサポートとして提供するという体制づくりも必要になってくると思います。  それから、実際にIQが高い、ある程度能力の高い人たちは、民間の児童発支援事業所をかなり利用されていて、それももう横浜の場合には、地域療育センターが充実するのと同じぐらい児童発達支援事業所を複数利用しているという。2か所、3か所も行かれてというような、お母様たちもどこに連れていったら教えてもらえるんだろうというぐらい、ものすごくリサーチが進んでいます。ですから、そういう地域にある資源と地域療育センターとがどうつながっていくか。それから、学校とどうつながっていくかというような流れをうまくつくっていくこと。それから、入り口でいくと、本当に早い時期から発達が気になるお子さんたちに早期介入していくというのはもう20世紀からずっとされていて、それがより充実していくようにするためには、やはり総合的な評価と方針決めみたいなものをどのような形で入り口を固めていって、なおかつ疑いという方たちも何らかの支援がもらえるように、医療と福祉とそれから、そういうメディカルスタッフなどが総合的に関わりながら支援が早く入るような工夫というのも、同時に必要になってくるのではないかと感じています。皆様のご意見を頂きながら何か新たなものが抜本的にできていくこと、21世紀型として見直されることを期待しています。 (渡部委員長)恐らくお一人ずつ何かご発言のご意向はあると思うのですが、もし可能であれば手を挙げていただいてご発言いただければと思いますが、いかがでしょうか。 (平田委員)簡単な質問です。こちらの検討メンバーには、十愛療育会のセンターあおばの方も含まれているわけですね。分かりました。 (渡部委員長)他にいかがでしょうか。盛り込んでいただきたい要素というのは、既に小川委員、高木委員のご発言の中に含まれておりますので、アウトリーチの視点とか、あるいは横浜市のある種の特徴でもあって、横浜市以外の方々からすると、横浜市の地域療育というものが一つのシンボルみたいなことになっておりますので、そこがどういう風に新たなスタイルというのでしょうか、新たなモデルとして進めていこうとされているかというのは非常に関心の高いところだと思いますので、ぜひそういったことで新たなスタイルというのを模索いただければと思っております。  一つは、先ほど小川委員からございました保育所とか幼稚園における対応力、あるいは児童発達支援との協働というのでしょうか、連携の中で充実を図っていくことに関して、この点の検討をどういう形で今後進めていくかというのも一つのテーマかと思いますし、高木委員がおっしゃったように早く、もちろん横浜市の療育は早期療育を大切にして取り組んできたということで、できるだけ早く入るということに対する仕組みの構築と同時に、発達障害のある方の早期というのがどのあたりなのかを一つのポイントとしながら取組が進められていくかというところも一つ関心のあるところかと思いますので、そのあたりは、今後の検討の中でまた進めていただければと思います。  事務局のほうに唐突な質問になりますが、保育所や幼稚園における対応力の向上ということについて、答申の中にある部分について、このあり方検討会の方で出されたことに基づいてまた検討されるのかもしれませんが、このあたりの検討はどのように今後進めていくようなお考えとか方向があるか、可能な限りでお聞かせいただいてよろしいでしょうか。 (内田課長)資料4の(1)に該当する部分だと思いますが、小川委員からも先ほどご意見いただきましたように、地域療育センターだけで検討していてもここの部分はなかなかどうにもなりませんので、幸いといいますか、保育所あるいは幼稚園を担当しているセクションが同じこども青少年局にございまして、そことまだ十分に議論はしておりませんが、まずは局内で話し合うことは容易な環境が整っておりますので、そこと意見交換を始めるとともに、それをこのあり方検討会の中でどのように取り上げるのかということと、さらにあり方検討会は現在、当事者でやっていますので、これを今後この議論が成熟していく中で、行政の中で少し位置づけを考えなければいけないと思っています。既存のいろいろな委員会等を活用するのがいいのか、そこはまだ十分な検討をしておりませんが、しっかりお墨付きを頂くという作業も進めていかないといけないと思っておりますので、そうなってくると、我々いわば事務局を含めた当事者だけではなく第三者的な立場の方、あるいは局内でもほかの保育等の関係の部署も含めて議論をするという環境が整ってくると思いますので、基本的にはそういった形で広げる部分は広げるということで進めていきたいと考えております。ただ、その具体的なことはまだちょっと、現在の検討会の中ではそこまでいっておりませんで、先ほど小川委員、高木委員からもありましたけれども、その辺の評価の問題ですね、総合的な医学的評価も含めてどのように医療に活躍していただきながら評価をするのかという、その中枢の議論のところで今やっている最中でございますのでまだご紹介できませんが、考え方としてはそういう考え方で進めていきたいと思っております。 (渡部委員長)来年2月のこの検討会の中で進捗状況を改めてお伝えいただければありがたいと思いますし、先ほど地域療育センターの学校支援事業ということで、かなり学校に対する対応をされていると思います。恐らくそれは教育委員会との連携ということもあるかと思いますので、そのあたりも含めて2月頃にその進捗状況を教えていただければと思います。  その他、委員の皆さん、よろしいでしょうか。 (小川委員)今お話のあった学校については、地域療育センターとしてはまず幼児期の部分と学齢期の部分があるのですが、今、あり方検討においてメインで議論しているのは、どちらかというと幼児期についてです。限定とまではいきませんが、まずは絞り込もうと。というのは、今、小学校期も対応はしているのですが、非常に状況が難しくて、さらにいろいろな議論をしていかないと、これはちょっと対応し切れないという部分もございますので、まずは幼児期について今回はやっていこうというのは大きな流れとしてはあると思っております。ただ、やらないよという話では全然なくて、いずれまた改めてそれは非常に重要な課題としてやっていかなければいけないということの中で、やはり学校との、教育委員会との連携も考えていく必要があるだろうと思っておりますが、2月の検討委員会で、学校についてのお話ができるかどうかというのは、ちょっと難しいかなと個人的には思っているところです。  あともう一つ、特に幼稚園、保育園については、教育もそうなのですが、障害児保育の能力を上げるというよりも、むしろ本来の保育能力あるいは教育能力を上げるということが実は非常に重要ではないかと思っております。それは、今までコンサルテーションをしたり、いろいろな研修会を市からの委託を受けてやっている中で既に実感していることなのですが、障害児保育ということに特化するよりも、むしろ全体の保育力を上げることによって包含できる部分が非常に大きいのではないかという感覚を持っております。それは地域療育センターがやることではなくて、行政の中で進めるべきことだと思いますので、視点として、今までは障害児保育あるいは障害児教育を我々はサポートしてきましたけれども、その視点だけではちょっと駄目だなというような実感を得ていることも付け加えさせていただきます。 (高木委員)小川委員がおっしゃった流れの中で、教育のことについても少し付け加えさせていただくと、学校支援事業というのを横浜市はずっとやっておりまして、支援の担当者というのが、うちの地域療育センターの場合は福祉職と、時には作業療法士や心理職がタイアップして外に出ていくということをしていて、専門的な評価から見えている特徴にどう対応するかというのを、担任の先生方をサポートするために出かけていくという仕組みなのです。その担当者が最近時々言うのは、普通にまずは基本的にこういう構造化を入れてくださいとか、お子さんに寄り添うための支援のベーシックなことは、学校の先生方もそこに関してはかなり研修を受けられて、横浜の場合は基本のキの部分はもう整っていて、そうすると次のステップで学校支援事業は何を主眼にしていくか、そこをもっと充実させていくために、支援の担当者は自分たちの役割は何だろうと考え始めているところがあるのです。もちろんそこは横浜市全体の学校の中で、充実している学校とまだまだこれからという学校は半々ぐらいあると聞いていますが、学校の教育現場のニーズに特別支援教育を特別支援していくという意味では、ニーズを把握してそれに応えるための学校支援事業のあり方というのを少しずつ教育との中でも、この委員会でなくてもお考えいただくステップに上がってきているのではないかと日々感じております。 (渡部委員長)一手に進んできた中で次のステップの検討が要請されているということ、なるほどよく分かりました。 (谷崎委員)今、教育の話が出ましたので、学校支援事業という意味だと地域療育センターからのサポートはもう十何年続いていて、教育の方だと特別支援教育コーディネーターを担当する教員がいたり、研修体制もかなり充実しているので、先ほど高木委員が言われたように、基本の部分は各学校、行ってみると分かると思うのですが構造化されていたり、黒板周りがきれいになっていたりとか、その辺はできていると思うのですが、次の段階の個に応じた具体的な対応というのがやはり、いろいろなタイプの子どもたちがいるということでなかなか難しい。そういう面で、地域療育センターの専門的なサポートが受けられるといいと思いますし、教育の中だと特別支援学校とか、通級指導教室がそういう意味で各学校のサポートに行っていますけれども、ちょっとまだマンパワーが足りないかなと思うので、そこの部分がうまく連携できるといいかなと思っています。  それから今、小学校、中学校もそうですけれども、横浜では個別支援学級、特別支援学級の人数が本当に増えていて、10年前だと信じられないような、40人とか50人学級があるというような状況の中で、そこに発達障害の子供たち、知的な遅れはないけど情緒的な問題があるという子どもたちがたくさんいるということで、そこへの学校としての対応というのがなかなかまだ十分ではないと思うので、教育で言うとそこを考えていく必要があるのかなと思います。 (坂上委員)保護者の立場からですけれども、高木先生がおっしゃったように大分支援が入ってきていますと言われるのですが、新しい制度が構築されたり、こういうのが入りましたとなったときの振れ幅がやはり現場で大きいのかなと思う話をどうしても聞くのです。数年前なのですが、特別支援教室というのができて、そこで取り出して授業をするようになったら、クラスの先生たちが、教室にいられない子は特別支援教室に預けるので、そこで面倒を見てもらえるので私たちは関わりませんと。私たちはクラスの子の対応をきちんとしますというような感じでころんと変わってしまったと聞きました。親としては両方同時に使ってほしい、クラスの中でもちゃんと見てほしいという思いがあり、子どももそうだろうと思うのです。そういう場所ができたとなったら、じゃあそこに全部お願いしちゃっていいですよねみたいな感じにちょっと動くことがあると思うのです。なのでやはり、先生の一人一人の思いと、こういう発達のでこぼこのある子たちをどうクラスの仲間として育てるかという、一人一人の先生の教育観に関わる部分で、すごく面倒ですごく時間のかかることだけれども、そこのところを拾っていかないと、教室を整備したり何かしても、結局そこに預けて切り離してしまったらもうおしまい、となってしまうと、学校の中で縦割り化してしまって、子どもとしてはちょっとしんどいのではないかと思います。 (渡部委員長)貴重なご指摘ありがとうございます。教育委員会のほうから何かございますか。 (佐藤部長)本当に厳しいご指摘をありがとうございます。横浜市としましては、なるべく多様な学びの場を用意して、そこの中で対応していくということと併せて当然、校内支援体制ということで、校内の中で在籍の級と、一部取り出しと呼んでいる対応を組み合わせながら、個別の支援計画や指導計画に基づいて特別支援教育コーディネーターを置き、そういう体制をつくっていきますという風にしてはいるのですが、本当にそのような対応がまだあるとすれば、そこのところはしっかりと研修なり何なり、後ほど特別支援教育の取組状況のところでも今やっている部分についてはお話しさせていただきますが、そういった校内の支援体制、コーディネートといいますか、そういう機能が非常に重要だという認識は持っておりますので、しっかりと現場に浸透させるようにやってまいりたいと思います。 (渡部委員長)まだまだご発言があるかと思いますが、一旦終了させていただいて次に移らせていただきたいと思います。  イ ペアレント・トレーニングについて (渡部委員長)2番目の議題がペアレント・トレーニング(以下「ペアトレ」と表記)になりますので、このことにつきまして事務局から状況についてご説明をお願いいたします。 (内田課長)それでは、障害児福祉保健課内田からご説明させていただきます。こちらにつきましては、答申の21ページ、こちらに「保護者及び家族への支援」という項目がございます。この中で、22ページにペアトレの提供ということが求められることとして書かれてございます。ペアトレを実施するファシリテーターを養成する研修の実施等により、保護者が発達障害の特性を踏まえた本人への接し方を学ぶ機会を提供できるようにすることが求められますということでございます。これを受けた取組ということで、資料5をご説明させていただきます。  こちらですが、障害児通所支援事業所において、ペアトレの実施の効果検証や普及方法、この辺をまず検討していこうということで、株式会社LITALICOと協働研究契約を結びまして、児童発達支援事業所におけるトレーニングを実施して、その効果について検証するという試みを昨年度から実施しているところでございます。  ということで、2の昨年度の実施結果でございます。まずアですが、事業所の児童発達支援管理責任者(以下「児発管」と表記)を対象とした研修を実施。2法人4事業所に対して3日間のペアトレ実施者養成研修を行いました。そしてイでございますが、その研修を受講した児発管が、自分の事業所でペアトレを実施していただきました。計22名の保護者の方にトレーニングを実施しております。ウですが、研修受講者や保護者に対しての効果検証ということで、アンケートを行ってその結果を分析するということを実施いたしました。(2)の事業効果、アンケートの分析ですが、保護者からは、例示ですが、ほめられるようになって子どもの表情の変化を実感した、子どもの様子を冷静に見られるようになった等の感想が聞かれております。事業所職員からは、事業所と保護者との距離が近くなった、事業所での支援に生かすことができた等の感想が聞かれているという状況でございます。  この元年度の取組を受けて今年度でございますけれども、3、令和2年度以降の実施予定ということですが、少し箇所数、対象数を増やしていこうということで、児発管を対象とした研修につきましては、約10事業所の児発管20名を対象に、ペアトレの実施者養成研修を行う予定でございます。それと、研修受講者による事業所でのペアトレの実施については、2年度・3年度の2か年をかけて養成した児発管の方々にペアトレを実施していくということで、保護者を2グループに分けて別々にトレーニングを実施する、それから、トレーニングの有無による比較も行うということでやっていく予定でございます。その上で、(3)の研修受講者や保護者に対する効果検証は、しっかりと2年分をやっていくということでございます。(4)の今後の事業実施に向けた検討ですが、検証結果を基にペアトレをどのように普及啓発していったらいいか、あるいはどういう実施対象を考えていったらいいかという具体的な内容をこの検証を受けて検討した上で、なるべく多くの事業所で実施できるような方策を考えていくという予定でございます。  ということで、元年度から3年度の3か年間にかけてモデル的な取組をする中で、その結果を踏まえて具体的な事業化につなげていきたいと考えているところでございます。説明は以上です。 (渡部委員長)ありがとうございました。それでは、このことにつきましてご質問あるいはご意見いかがでしょうか。 (寺田委員)ペアトレについては、知識だけでなく実践する場として、お母さんと子どもの双方が自己肯定感を高めるために絶対に必要な手法だと思っています。だんだん事業所が増えてくる経過は今伺ったのですが、将来的に例えば目標の数値とかというのは決まっているのでしょうか。 (内田課長)その数値につきましては、後で触れられるかもしれませんが、第4期の障害者プランの中に一応目標数値は盛り込む予定でいるところでございます。具体的な数字は後で、障害者プランのご説明のときに触れさせていただきたいと思います。 (寺田委員)分かりました。 (高木委員)余計な発言かもしれませんが、親子関係を良くしていく、お母さんや保護者の方を支えて子どもへの支援をお母様も担えるようなメンタルヘルスということはとても大切な事業で、関東で言えば東京や埼玉、神奈川もなのですが、児童相談所が今やっているものは、ペアトレという1本のものがあって、もう一つはアメリカのシンシナティで開発されたCAREという、トラウマ治療から発展してきているのですが、それの心理教育と2本立てでやっているところが、児相などですごく増えてきています。実はLITALICOの会社のスーパーバイズをするように今年度心理職が1人入ったのですが、CAREのトレーナーでファシリテーターをやれる方が入っていまして、恐らくこれからそういう多様なニーズに合わせていくためには、ペアトレだけを推進するのではなくてもっといろいろな形の、ペアトレはテーマに沿って具体的にいろいろな宿題が出たりして、お母様によっては多少負荷が、健康度が高いお母様たちはいいのですが、ちょっときついなというお母様たちにとっては、これだけを1本の筋にするとちょっとつらくなるものもあるのです。親子を支えて治療しなくてはいけなくなるもう少し手前の予防効果というので今そこがすごく注目されて、最近NHKとかでも扱われてきています。多分そういう動きがこれからペアトレの世界の中でも、多様性が出てくると思うので、そこを視野に入れてどんなふうに推進していくか。ペアトレ1本で全部をという風にはしないで、もう少し多様に考えられたほうが施策としては広がりがある、横浜らしさというかオリジナリティーのあるものができるのではないかと考えたりしています。 (渡部委員長)ありがとうございます。私も賛成で、多様性といいましょうか、そういった意味では、ペアトレもある種の多様性という中で考えたときに、多くは集団形式で行われているのですが、それがなじむ方もいるし、なかなか集団の中で取り組んでいくことの難しさのある方もいらっしゃるということがあって、そういったニーズの違いに基づいたバリエーションも一つの広がりということになるかと思います。ここでお書きいただいている多様にといったところでいけば、ペアレントメンターとか、あるいは今おっしゃっていただいたようなCAREの心理教育、さらにはペアレント・プログラムというような、トレーニングではなくてプログラムというものもありますので、できれば、まずはペアトレがしっかり効果検証されて普及していくことと同時に、今、高木委員がおっしゃったように、できるだけ広がりのある形で進めていけるようにということも併せて、今後の課題として考えていくことができたらいいかなと、私もそのように思います。 (池田委員)ちょっと質問なのですが、私が成人で会う主に軽度の方々ですけれども、やはり支援が難しいのは、親御さん自身が知的な水準があまり高くなかったりとか、発達の偏りがあったり、あるいは関心が低かったりして、今会う成人の方々は恐らく10年前、20年前の施策の結果といいますか、なのでちょっと今とは違うかもしれませんが、こういうペアトレみたいなものはもちろん大事な一方で、時間的にも親の知的なレベルでも、豊かな方々ばかりがどんどん豊かな教育を受けられるというか適応が良くなる一方で、知的な水準が低かったりする、もともと支援につながりづらい親御さんとの格差が開いたりとか、そういう方こそ成人で社会に出たときにつまずくというあたりをどんな風にお考えかといいますか、それをちょっとどなたかにお聞きできたらと思います。 (渡部委員長)私が申し上げるのも変なのですが、今回のペアレント・トレーニングの検証というのは、どのあたりまでの対象の方に対して有効に作用するかということの検討でもあるように思います。トレーニング自身に効果があるというのは、既に多くのエビデンスがあると思いますが、地域で進めていくといったときに、多様な方々に対してどこまでカバーできるか、どこまでアレンジ、プログラムといいましょうか内容を検討する中で進めていくことができるのかというところの検証でもあるように思うのです。ところが、やはりそれだけだとどうしても、言葉は悪いですがうまく当てはまらない方も当然いらっしゃると思うのです。そういう、確実にこういう方々に対してはどう対応すべきかというところも一緒に示していかないと、この効果検証の意味が弱くなるのではないかと思いますので、まずはやってみるのだけど、そういったことで結果を示して次につなげていくということが必要かなと思っております。特に今までは、手を挙げた方がプログラムに参加されるので、そうすると、その方は一定のということがやはりありますので、必ずしも地域というのはそういうわけではないということはもうそのとおりかと思いますので、その視点でも検討を進めていただけるとありがたいなと思っております。 (内田課長)今日ご紹介したペアトレは、まずペアトレそのものが保護者支援のいろいろな手法の中の一つに過ぎなくて、さらにペアトレの中でも今モデル的にやっているのは、その中の一つの流派という言葉は不適切かもしれませんが、一つの形であるということで、委員長がおっしゃったように、現在は民間の児童発達支援事業所でモデル的に手を挙げた宿題に耐えられる保護者の方々を対象に、まず非常に狭い範囲で試みているという状況でございます。ただ、民間の児童発達支援事業所がどんどん増えていまして、支援の場としてのボリュームが大きいので、民間の児童発達支援事業所でやれるペアトレということで、まずは取りかかっています。池田委員からご指摘のあったような、親御さんのほうが課題を抱えてなかなか民間の児童発達支援事業所では難しい方も当然いらっしゃると思うので、そこはそれこそ地域療育センターとの役割分担で、地域療育センターの児童発達支援がどういった役割を取っていくのかということを、さっきの議題ですけれども、その中でも検討しなければいけないということになってくると思います。高木委員からご指摘があったような、他の方法も含めてという、それも貴重なご指摘をいただきました。そのとおりで、これはあくまで今、モデルでやっていますが、今後、民間の児童発達支援事業所をフィールドとしたペアトレについても、ほかのそういった支援をしていただけるような団体といいますか、そこにもご協力をお願いして、少し幅も広げた形でやっていきたいと思っております。貴重なご意見ありがとうございます。 (小川委員)今、内田課長からもありましたように、地域療育センターとしてペアトレをしてこなかったかというと、それはしているのです。ただ、あえてペアトレをしていますというような言い方をしてこなかったという経過もあると思います。それはなぜかというと、やはり狭くなるからだと思うのです。ある意味、狭くなるから。先ほど、地域療育センターのあり方検討の中で総合評価ということもお話ししましたけれども、その総合評価の中には当然、保護者に対する評価、アセスメントも含まれるわけで、その中で、どういう形でどういう時期に親御さんにお子さんのことをどう伝えていったらいいかということも含んだ形の支援をどう地域療育センターとしてやっていくのか。そういう意味で言えば、地域療育センターはそれだけの専門性を高く持たないと駄目だということなんだと思うのです。一方、これは民間の児童発達支援事業所のレベル云々の話ではないのですが、やはり規模感として大きくなればそれは当然、スタッフさんとしてもいろいろな方がいらっしゃいますので、そういうところで一定の水準を確保するためには、どちらかというと形のもの、要するに決まったものをやっていただくというような、幾つかの階層性を持った中で、横浜は何をするにも370万を意識しないとうまくいかないと思いますので、これだけの人口規模を支えるためにはいろいろな階層の中でそこが担うことをやっていくということで、その中で地域療育センターは一定程度専門性の高い部分を確保しながらその役割を担っていかなければいけないのではないかと思っております。 (渡部委員長)ありがとうございます。それでは、引き続きペアトレについての取組を進めていただきまして、次回にまた可能な範囲で効果検証の結果等を教えていただければと思います。  ウ「特定相談日」に関する検討について (渡部委員長)それでは、ウの「特定相談日」に関する検討につきまして、まずは事務局からご説明をお願いしたいと思います。 (佐渡課長)障害施策推進課の佐渡です。資料6をご覧ください。こちらは、特定相談日の実施方法に関する検討でございますが、今回頂きました答申の中で非常に長い時間をかけていろいろご意見を頂いたのは、横浜は支援機関が非常に重層的で様々なものがあるけれども、そこがきちんと役割を果たせているのか、連携がちゃんとできているのか、役割分担や連携を効果的に行う必要があるということが言われております。答申の中でも大項目3のところでそのことがまとめられているかと思います。成人の分野で発達障害者支援センターを中心とした相談支援部分について検討していくときに、平成24年・25年の発達障害検討委員会の検討に基づいてできましたこの特定相談というのが、近年、相談の中身も含めてかなり変わってきていることを踏まえて、いま一度この発達障害者支援センターのアウトリーチ的取組である特定相談日をどのように効果的にしていく必要があるのかということで、改めて振り返りを行っているところでございます。  方向性はまだヒアリングの最中なので決まっていませんが、この1番の「特定相談日について」に書いてありますとおり、実施内容としましては、発達障害者支援センターの職員の皆さんが、一次相談支援機関である各区の福祉保健センターに出向いて、一次と二次が一緒に相談を受けるという形をつくりました。これは、もともと発達障害者支援センターが横浜に1か所しかない中で、身近な地域で相談が受けられる仕組みをきちんとつくろうということで、一次相談支援機関の育て、育成という意味もあり、アウトリーチ手法でお願いしてきたところです。これは、平成24年・25年の発達障害検討委員会の検討内容から実施されているもので、現行の第3期の障害者プランの中にも、発達障害者支援センターの運営事業の中にこの特定相談のことも事業内容として記載しているところでございます。25年度からモデル実施を経て、29年度には18区展開する中で、スタートから数えるともう7年になる事業でございます。最初は、港北、戸塚、瀬谷の3区でスタートしました。  ただ、2番の「特定相談日開始以降の相談支援を取り巻く状況の変化」にありますとおり、一次相談支援機関への発達障害に関する相談件数が増えています。これは発達障害者支援センター全体の相談傾向と似ているので、後で西尾委員からも補足をいただければと思いますが、実はスタートしてから一番回数や件数が多かったのは、全区揃うかなという27年、28年、29年頃で、その後少し下がっています。これは、わざわざ特定相談日を狙って行かなくても、区役所だけでなく一次相談機関である程度発達障害の相談が受けられるようになってきたということも想定されるかと思います。また、そのようになった原因の一つには、(2)にありますとおり、横浜市における相談支援体制が少しずつ充実してきているということもあるかと思います。  裏面に例として書かせていただいておりますが、基幹相談支援センターというのを、もともと法人運営型地域活動ホームが各区に1館ありますけれども、そこの相談部門に法的な相談機能を付加して、相談支援員を増やすということを28年度から実施しておりますし、区役所とこの基幹相談支援センター、精神の生活支援センターの3機関定例カンファレンスというのも、この基幹相談支援センターができたのと同時にスタートしています。精神の生活支援センターに発達障害の大人の方が結構、居場所として行かれたり相談されたりしていますが、そういうところもこの3機関定例カンファレンスで共有できてきたところはあります。また、各区の支援者の集まりである自立支援協議会に相談部会を必置として、今、18区全てにありますが、そこで各機関でいろいろ共有することができるようになってきたという背景もあるかと思います。あとは整備途中といいますか、整備の真っ最中ではございますが、地域生活支援拠点機能という、居住支援の機能を各区で今、その3機関を中心に進めていて、こういうことで少しずつ関係機関がネットワークをつくって、ご利用者さんたちの支援にネットワークでつながることができるようになってきたかなと考えられます。こういうことも、わざわざ特定相談日を選んで相談に来ることが少し減少傾向にある理由にはなるのかなと思います。  3の「検討の実施方法」ですが、スケジュールにありますとおり、現在、18区役所にヒアリング調査をしていて、現在、特定相談がどのような活用をされているのか、どんな相談になってきているのかということをヒアリングしています。昨日時点で18区中13区終わっていますが、まだ途中なので、またその結果を踏まえて皆様には共有させていただきたいと思います。区から聞いている話では、相談の内容がやはり変化してきていると。インターネットの普及も含めて、軽度というか知的な遅れのない発達障害の方々やその親御さんたちは、もうある程度自分でいろいろ調べてきて、ピンポイントで医療機関を教えてくださいとか、就労系サービスに通いたいので受給者証をくださいとか、そういう医療や福祉サービスの情報を求める相談が増えてきているということがあります。ただ一方で、困難ケースがなくなっているわけではもちろんありませんので、そういう3機関定例カンファレンス等をして、困難な方が、直接この特定相談日を通して区役所で把握しきれないケースも含め共有しております。こういったカンファレンスの重要性を踏まえ、今まで各区一律に特定相談日を設けて身近なところで相談ができるようにしていきましょうというような仕組みづくりという、各区というか地域ごとに一律のレディーメイドのやり方よりも、一人一人の困難さや求めるものに応じたオーダーメイドの相談支援ということにシフトしていくべきなのではないかということも、検討の内容に含めていかなければいけないかなと思っていますので、次年度以降の実施に向けてどのように変化をさせていく必要があるかというのを検討していきたいと思います。2月のこの委員会である程度方向性みたいなものが報告できるといいなと思っております。ぜひ西尾委員からも補足していただけるとありがたいです。 (渡部委員長)それでは、西尾委員、補足をお願いしてよろしいでしょうか。 (西尾委員)今、佐渡課長から全体を網羅した報告がありましたのでそんなに補足するようなことはないのですが、佐渡課長もおっしゃっていたように平成24・25年の検討委員会で、身近な相談支援機関で、特に大人の発達障害、疑いも含めてある方がご相談した際に、その方にとって必要なサービスないしは福祉のサービスにつながれるようにということで始まっております。それと特定相談日を設けることとセットで、一次の相談支援機関の相談支援者の方々向けの発達障害相談にまつわる基礎の研修と応用の研修というものも平成25年度から実施してきておりまして、その両輪で充実させていこうという計画でスタートしました。  今お話がありましたように、経過としては、最初はモデル事業で、平成29年度から全市展開ということで18区、今その4年目にあたります。ただ、実際には7年前から始めている事業ですので、今お話がありましたように、障害福祉の相談窓口の支援体制というのは変わってまいりましたので、やはりそろそろ振り返りをして見直しをしたほうがいいのではないかということで、毎月、障害施策推進課の担当者の方とはご報告しながら内容を確認してきたというものになります。様々な経過の中で今現在は区の医療ソーシャルワーカー(以下「MSW」と表記)を窓口に、この特定相談日というのを活用していただいております。区によって状況が、横浜市は18区ありますので様々で、区によっては月に1回必ず定例でやっているところもあれば、年に2〜3回でやっているところもあって、1つの区は、先ほども挙がっていた3機関定例カンファレンスというのをやっているのですが、そのカンファレンスに年4回、発達障害者支援センターの相談員が呼ばれて、そこで例えば3機関の中でちょっと課題に上がっている方のご相談というのを、支援者の相談を伺うというような、少し変わった形でやっている区もございました。  今年度も昨年度同様スタートして、我々の相談員が各区に出向いていって、そこでご相談を受けているのですが、やはりさっきの報告にありましたように、個別のご相談というのが大分、数的にもちょっと減ってきているというのがございまして、ある程度区の窓口や基幹相談支援センター、あるいは生活支援センターとか、そういったところで受け止めて、発達障害がもし背景にあるとすれば、こういうふうな関わりをしたらいいかなとか、あるいはこういう使えそうなサービスがありますよといった情報提供ができるようになってきたということもあるので、個別の特定相談を使うというのは大分減ってきております。それとはちょっと色合いが変わってきて、どちらかというと支援者の方がどのように関わったらいいか、どのような対応が求められているのか、何を備えとして持っていたらいいかという支援者からのご相談ですね、ですので、支援者支援というのが昨今求められてきているのかなというのが思うところです。  それとあと、いわゆる困難事例といわれる方、あるいはご家庭への関わりですね。困難といっても様々でして、例えば知的障害のある自閉症の方で、なおかつ強行といわれる行動障害のある方のご本人あるいはご家族への支援というのを、支援者がネットワークをつくってどのようにやっていくかというので、様々な工夫をして皆さんに関わっているのですが、そういったところへのアプローチ。あと、困難といってもまたちょっと層が違って、軽度知的あるいは、いわゆる境界域といわれる方で、背景に発達障害に加えて精神の疾患も抱えているような方で、例えば法に触れるような行為をして地域で暮らすのが困難な状況にある、あるいは入院して退院後に行き場がなくてというような、いわゆる生活の拠点がないとか、そういった本当に幅の広い中でのいわゆる困難事例といわれる方々への支援ですね、本人アセスメント、狭義と広義の環境アセスメントというのも含めて、そういった支援者チームをどのように支えていくかといった案件の相談というふうに、徐々にニーズが変わってきているのかなというのが実感としてあります。  ですので、今年度は我々の支援センターから局の担当者にご報告はしていきますが、逆に局の担当者からも各区のMSWに今、そういったリサーチ、聞き取りをしていただいているといった次第です。 (渡部委員長)ありがとうございました。このことについてご質問とかご意見いかがでしょうか。それでは、この聞き取りを順次進めていただいて、2月に一定の経過あるいは取組についてのご報告をお願いするということでよろしいでしょうか。それでは、どうぞよろしくお願いします。  エ 特別支援教育の取組状況について (渡部委員長)続きまして、エの特別支援教育の取組状況につきまして、まず事務局からご説明をお願いしてよろしいでしょうか。 (藤原課長)教育委員会特別支援教育課担当課長の藤原からご説明させていただきます。資料7という横向きの資料が中に入っております。外していただいたほうが見やすいかもしれません。ちょっと字が小さくて恐縮でございますが、よろしくお願いいたします。  答申には31ページ以降のところで、「教育と福祉の連携等による、学齢期支援の強化」とありまして、32ページに求められることとして、地域療育センターとの連携ですとか、横浜型センター的機能の活用促進ですとか、方向性が幾つか出されております。ただ、答申が出たばかりで、全てがこの求められる方向性にまだ合致した状況になってございませんので、今、特別支援教育の状況としてこのように進めておりますということをご報告するために、この資料をお付けしてございます。そういう意味では、発達障害に限らず全部入ってございますので、その辺のところはご承知おきいただきたいと思います。  お示しした紙の上にグレーの四角で囲まれているところは、小中学校に対する取組と、下のところは特別支援学校に対する取組ということでまとめてございます。  現状と取組の小中学校のところで、まず左上の一般学級に対しての取組でございますが、やはり発達障害のあるお子さんなど、そういう児童生徒さんが増えていらっしゃるということ、それから、一般学級教員への多様な支援による特別支援教育の理解の向上と指導スキルの向上の必要性は非常にあるということでございます。それに対して、令和2年度の取組といたしましては、1つ目、特別支援教育コーディネーターを中心とした校内支援体制の充実。先ほどご指摘いただいたところでもございますが、このあたりの充実を目指していくということと、特別支援教育支援員、ボランティアが入っていただいていますけれども、この方を上手に活用して実際の支援をうまくいくようにしていく。そのための研修の充実ですとか、特別支援教育支援員の方々の担い手確保というのも大事なところでございますので、その辺の取組を進めていきます。2番目に、教員に対するキャリアステージに応じた研修の実施。横浜型センター機能の活用ということで、ここでは地域療育センター等にもご協力いただいておりますが、小中学校一般学級の教員の方々を支援して、この教育に関してレベルをきちんと保っていくための指導をしていただいております。2つ目に、学識経験者や医師等による専門家支援チーム、リハビリテーションセンター等にもご協力いただいておりますが、専門家支援チームを派遣することによりまして、より指導の質を上げていくということもここで図ってございます。  真ん中のところ、個別支援学級でございますが、在籍児童数が増加していたり、障害の重度化・多様化などもございます。それから、個別支援学級担任の障害特性の理解やスキルの向上の必要性ということがやはり強く求められるところかと思っております。下の点線の四角の中でございますが、2年度の取組としましては、特別支援教育支援員の活用促進、やはりここをうまく使っていただくことによって、きちんと中身を組み立てていただくことが大事だと思っております。2番目に、特別支援学校教員免許状取得支援ということで、この資格を取ることに関しての費用を教育委員会で負担しまして取得の支援をしていく、こういう教育に関してきちんとスキルを上げている人を増やしていくということが方向性として出てございます。  一番右の通級指導教室でございますが、やはり通級利用児童生徒の増加がございますので、指導場所ですとか適切な指導回数・指導時間を確保していくということは必要な方向性でございますし、同じようにスキルの向上、一般学級教員への支援ということもとても大事な方向性になってございます。2年度の取組につきましては、1番にございますようにかなり通級指導教室が、過大規模化と書いてございますが大きくなっておりますので、エリアの見直しをしていって適正化をしていくこと。その中で、仏向小学校に新たに情緒、LD・ADHDの通級指導教室を新設することで、このあたりの対応力を上げていきたいと思っております。それから、2番目としては、やはり特別支援学校免許状免許状取得の方を増やしていくことも大事な方向性でございますし、その下の協働型巡回指導、通級指導教室の教員が在籍校の教員と協働して児童の指導まで一緒に取り組んでいくことでございますが、この実施を今まで1校だったのを4校まで増やして進めていきます。  左側の下に行っていただきまして、特別支援教室におきましても、やはり児童生徒数の増加、ニーズの多様化、先ほどのお話にも特別支援教室の話が出てまいりましたけれども、現在、実践推進校が36校ございますが、そこに非常勤の教員を配置しまして取組を推進していこうというのが2年度の取組でございます。  中段の真ん中になりますが、全学級種共通の取組としては、ニーズへの対応ということでは支援員の活用促進をしていくということ、それから、医療的ケアが必要な児童生徒さんにも看護師を派遣するような仕組みをつくりまして、そういうニーズにも対応していきます。それから、聴覚障害の方には、ノートテイクボランティアですとか、障害に合った対応策を進めていくということでございます。その下の人材育成は大事なところでございますが、キャリアステージに応じた研修の充実としては、教員になった方々の初任者研修の中できちんと全員に対して特別支援教育について理解を深めていただくようなプログラムを入れていること、それから、新たにLDの指導担当者向けの研修を開始するということで、今年度は既にこれについては取組が始まってございます。  右側の就学・教育相談のところでは、特別支援教育総合センターにおきましてはやはり相談件数が増えており、また、中身も多様化・複雑化してございますので、そのあたりのところで相談体制を強化していくのが2年度の取組になります。下に相談室の増などとございますが、環境整備でたくさん相談をお受けできるような環境をつくっていくこと、それから、体制拡充を図っておりまして、それによって相談枠を増やしていくことを取組として進めております。また、体制充実の中には、例えば言語聴覚士の配置ですとか、そういう形で少し対応の専門性を上げるような取組もしておりますし、勉強会ですとか事例検討会等を通して相談の質をきちんと上げていくような取組も進めてございます。  下の特別支援学校のところでも、それぞれ障害種別等に合ったような対応も進めておりますけれども、専門性の向上ですとか、ニーズの多様化に応えるような対応ですとか、その辺は引き続き求められている方向性ですが、3番にありますような知的障害特別支援学校の過大規模化もございますので、これについてもきちんと対応していくことが必要だと思っております。4番の就労のことですとか、6番の病弱特別支援学校の充実等も、求められる方向性としては考えていかなくてはならないところです。2年度の取組としましては、キャリアステージに応じた研修機会を様々確保していくことですとか、2番は医療的ケアに関しての看護師職員のことでございます。3番以降の県教委との連携ですとか、ICTを活用した教育の充実、各方面との連携を強化していくことですとか、肢体不自由校の再編計画等は、居住エリアに近いところでしっかり教育が受けられるような仕組みづくり、それから、分身ロボットは、その場に参加できない方が遠隔で参加できるような仕組みを考えていくということでございます。  その隣、特別支援学校のその他の取組として、真ん中のところにございますGIGAスクール構想を踏まえたICT環境の整備ということで、今、タブレットの配布などを進めていく中で、ツールとして特別支援教育をさらに進めるために利用できるようなツールが増えておりますので、これらを活用しながら障害種別に合ったような対応の質を高めていくことが必要だと思っております。また、高等特別支援学校等には外部講師などを派遣して、就労支援に向けたような取組も進めていくという方向性でございます。  現状の取組状況でございますので、これが今後、答申を踏まえてさらに強化していくところ、充実していくところ、取組を検討させていただきまして、またこちらでも報告させていただこうと思っております。ご報告は以上でございます。 (渡部委員長)ありがとうございました。ただいまのご説明に関してご質問、ご意見いかがでしょうか。これからまた答申を踏まえて強化されていくということでしたので、今後の中でご検討いただければと思うのですが、答申の中で記載されていてこの中で触れられていなかった部分というのが高等学校進学後の支援というところで、後期中等教育段階、あるいはその後の接続も含めまして、横浜市の高校の取組ということも少し気になっておりますので、そのあたりはまた、今後強化していくということにおける方向性なりお考えを含めてお示しいただければと思っております。 (中野委員)特別支援教育の取組というところで高等学校がないなというのが、まずこの表を見て1番目の感想でした。正直、義務教育というのは、私は高等学校も含まれる時代だと思っています。特別支援教育において、社会の出口というか最後のところの高等学校において、個別支援級が必要なのか、通級指導教室が必要なのか、色々と必要なことはあるかと思いますが、横浜らしいという部分で、高等学校の特別支援教育の充実を早急にお願いしたいと思います。 (渡部委員長)ありがとうございます。 (平田委員)今の高校のお話つながりでお尋ねしたいのですが、たしか神奈川県の県立高校でインクルーシブ教育ということで、いわゆる個別のニーズを持った生徒たちを積極的に受け入れているという実践が行われ始めているかと思うのですが、その内容というのはこの特別支援教育の中身に入ってこないのでしょうかというのが1点でございます。  それからもう一つは、特別支援教室はいよいよ始まったかというところなのですが、資料7の右下のところで児童生徒の推移というグラフがございますが、現在、今年度の場合、特別支援教室は36校ということでございますが、利用している児童生徒の数というのはどれぐらいのところかというのをお尋ねしたいと思います。 (佐藤部長)ご質問ありがとうございます。高校がないというのは本当にご指摘のとおりで、横浜市の教育委員会事務局ということでつくったペーパーでございますが、横浜市立高校は9校ございます。9校それぞれ各校ごとに特色のある学校を置いております。高校の場合は県立、私立が圧倒的な数ということもございますので、なかなか高校の施策ということでは横浜市教育委員会としての打ち出しが弱いという部分はちょっと申し訳なく思います。例えば高校については通級指導教室の仕組みが始まっていたりといったようなこともございまして、そのあたりにつきましても事務局内部ではいろいろ議論を進めているところです。高校にも特別支援教育コーディネーターにあたる教員は置いておりますので、それぞれの学校の中で特別支援教育を進めていかなくてはいけないというような認識は事務局としても持っているところです。それをどういう形で進めるかということは、やはりそれぞれのニーズに応じてということになりますので、どうしても今は学校ごとの取組にとどまっているというところで、申し訳ありません。特別支援教室につきましては、実は全校にスペースとしては設置しておりますので、この36校といいますのは、実際に実践推進校という指定をしまして、特別支援教室の実践を様々な工夫をしてやっていきますということで、特に手挙げ的な形で取り組んでいただいているところに非常勤の教員を配置しているという取組でございますが、全体で500校近い学校の中で特別支援教室の対象の方の数というのは、申し訳ありませんが統計を取っておりません。要は一時的な利用であったり、様々な形がありますので、このお子さんが特別支援教室というような統計の取り方ができないものですから、申し訳ないところです。神奈川県ではインクルーシブ教育実践校ということで今、県内14校だったと思いますが、進めているところにつきましては、いろいろ県教委とも情報共有をさせていただいております。横浜市の市立高校での取組と併せて、当然、中学校から上がっていく先でございますので、そこの状況追いをしながら、高校段階の在り方はこれから大きな課題にもなってくるだろうという認識は持っております。ちょっと言い訳みたいなお答えで大変恐縮ですが、そういう状況でございます。 (渡部委員長)それでは、今日ご報告いただいた取組状況と併せて今のご発言を踏まえていただきながら、その取組あるいはその方向について、改めて2月のときに状況をお伺いできたらと思いますので、よろしくお願いいたします。それでは、一旦これで2番目の議題を閉じさせていただきます。 (3)第4期障害者プラン素案について (渡部委員長)3番目のプランについて、ちょっと時間が限られて大変恐縮ですが、関連する部分を中心にご説明いただければと思いますので、よろしくお願いします。 (佐渡課長)障害施策推進課の佐渡です。皆様のお手元にちょっと分厚い資料をお配りさせていただいております。第4期横浜市障害者プランの素案ということで、実はこれは8月3日の障害者施策推進協議会の施策検討部会バージョンでございまして、協議会本体、そして施策検討部会、合わせてかなりご意見を頂きましたので、今ブラッシュアップ中です。最終版のパブリックコメント版は皆様にまたお送りしたり、データの在りかをメール等でお知らせするという前提で、ちょっと修正される箇所があるということをご了承いただければと思います。  プランの構成ですが、障害ごとに施策を並べるのではなく、人生のそれぞれの生活の場面ごとにどういう施策をやるのかということを書かせていただくという、そういう作りになっておりますので、何ページから何ページまでが発達障害に関することですという作りにはなっておりません。生活の場面ごとに様々、5つの場面に分けて記載しておりますが、まず、全ての生活に関わることということで、普及啓発や人材育成、権利擁護等というのが第3章の頭のところにあるのですが、下のページで第3章3と書いてあるところをご覧ください。普及啓発は全ての障害理解に非常に重要な視点ではございますが、その普及啓発の主な方向性の取組の中で3点挙げていて、互いの存在に気づき、身近に感じる仕組みづくりということで、中野委員にもご協力いただきながら進めている世界自閉症啓発デーなど、様々なイベントを通して普及啓発をしていくということをプランの中でも書かせていただいておりますし、下の取組のところにあるとおり、地域共生社会の実現に向けた取組の推進ということで、様々な、イベントだけではありませんがやっていきますということを書かせていただいています。  また、1枚めくっていただいて第3章の6ページのところに、ここは人材確保や人材育成のところでございますが、障害特性に応じた支援のための人材育成の研修ですとか、就労に向けての就労支援センターを横浜市は9か所持っておりますけれども、その職員の人材育成や、また、医療従事者の皆様に毎年、障害理解の研修をしているのですが、そこに発達障害の当事者の方にもご登壇いただいて研修するというようなことを今まで以上にやっていきたいと考えております。  また、全ての場面に関わることで相談支援関係なのですが、第3章の10ページから相談支援関係がスタートしております。答申でも頂いておりますとおり、相談支援の部分は非常に重要なところで、11ページの文章の下から3行目に、障害のある方を地域全体で支えていく相談支援機能の充実を図るということを方向性として挙げさせていただいていますし、この中の具体的な取組として、次のページの頭に、四角の中の2番目ですが、発達障害者支援センターの運営事業を書かせていただいています。ここに特定相談を初めとした、具体的な相談の事業名が載っていないのは、先ほどご報告させていただいたとおり、手法といいますか、それも含め検討していきたいということで、事業名としては載せておりませんが、下に指標名ということで、この協議会の開催回数ですとか、センターによる相談件数ですとか、先ほども出ておりました地域支援マネジャーの、支援者に対しての支援等も数値目標として掲げさせていただいているところです。  次にめくっていただいて13・14ページに、今回皆様から頂いた答申のことを書かせていただいております。これ以降も様々な場面で発達障害のことを記載させていただいているのですが、一つまとめて発達障害のある方への支援について、平成17年の発達障害支援法が施行されて以降、横浜市としてどのように取り組んできたのかと併せて、今回の答申のことを少しコラムといいますか、トピックとして書かせていただいて、力を入れていくということを書かせていただいています。  駆け足ですみません、次にちょっと飛んで第3章17・18ページが生活の場面1、「住む・暮らす」ということで住まいに関することですが、発達障害の方の独り暮らしを支える仕組みとしてサポートホームという事業がございますが、障害の状況に合わせた住まいの選択肢の充実ということで、このサポートホーム事業を推進していくということを、新規事業ではありませんが、改めて書かせていただいています。  またちょっと飛んでいただいて第3章23ページのところ、これは同じ「住む・暮らす」の暮らしの部分ですが、先ほどもお話しした地域支援マネジャーによる障害福祉サービス事業所への支援でコンサルテーションを実施するということで書かせていただいています。1枚めくっていただいたところに、地域支援マネジャーの助言件数ということを数値目標で挙げさせていただいています。  次に、先ほどもご報告させていただいた生活の場面3の「育む・学ぶ」のところでございます。第3章41ページと書いてあるところが療育・教育に関する場面でございます。この41ページ下段のところに、答申で頂いた、とりわけ、軽度の知的障害や知的に遅れのない発達障害児の増加が顕著になっているという課題認識を踏まえた上で、療育や教育に取り組んでいくということで、この療育の部分につきましては、次の42ページのところで3つの方向性、先ほどもご報告させていただいた、地域療育センターを中心とした支援の充実と、切れ目のない支援体制の充実、学齢障害児に対する支援の充実を方向性として挙げております。  次の43ページ以降に具体的な取組と数値目標を書かせていただき、先ほど寺田委員から、ペアトレの数値目標も必要ではないかというお話を頂きましたので、44ページ中段ちょっと上のところに、実施者の養成研修ということで箇所数を書かせていただいているところでございます。  次にめくっていただいて45ページからが教育の分野でございます。教育の分野については、次の46ページの頭に3つの方向性を書かせていただいておりますが、療育と教育の連携による切れ目のない支援、教育環境・教育活動の充実、教育から就労への支援ということで、就労も踏まえた上での教育も含め3つの方向性を書かせていただいており、その下から具体的な取組を書かせていただいています。ICTを活用した教育環境の充実等もこの取組のところ、47・48ページをご覧いただければと思います。  次の49ページ以降は「働く・楽しむ」ということで、就労やスポーツ、レクリエーションがございますけれども、ここも方向性としては、就労の形態に多様性があるということを踏まえて3つの方向性を打ち出しております。一般就労の促進と雇用後の定着支援の充実、幅広い仕事や工賃の向上による生活の充実、多様な働き方や障害者就労に対する理解促進という方向性で、取組をそれ以下、表にして書いてあります。この中には再掲として、就労支援センターの職員の人材育成を書いております。また、普及啓発にも関わることですが、52ページの多様な働き方の理解促進のところに、障害者就労に関する市民啓発というのを取組としてもう12年ぐらいやっていますが、「働きたい!わたしのシンポジウム」という大きなシンポジウムを毎年やっておりまして、ここ数年は必ずと言っていいほど発達障害のある方にご登壇いただいて、どのような働き方をしているのかということを支援者とともに発表していただいているところでございます。  非常に駆け足でございますが、それぞれの場面ごとに発達障害のある方も含めた支援策をちりばめているところでございます。この後、皆様も含めご意見を頂いたものをブラッシュアップした上で、9月16日から10月15日の30日間、プランの素案に対するパブリックコメントを実施しますので、皆様にもまたお知らせさせていただいて、ぜひこの委員会以外の個別の意見も含めて頂ければと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。以上でございます。 (渡部委員長)ただいまのご説明に対してご質問等、いかがでしょう。  それでは、ちょっと時間も限られておりますので、何かありましたら事務局にメール等でお問合せいただければと思います。 その他 (渡部委員長)今日の審議事項は以上で終了となりますが、全体を通してご発言いかがでしょうか。  それでは、今日の議論、ご意見を基にさらに取組を進めていただいて、予定としては来年2月の2回目のときに、また進捗状況ということでご報告いただければと思います。  それでは、以上をもちまして終了とさせていただきます。皆さんどうもありがとうございました。事務局からお願いいたします。 (事務局)皆様、本日は本当にありがとうございました。お疲れさまでございました。最後に、次回の第53回の検討委員会についてのご案内をして閉じさせていただきたいと思います。第53回の検討委員会につきましては、資料1に記載のとおり、令和3年2月19日金曜日、10時から12時の開催を予定しております。日にちが近づきましたら改めて通知文にてご案内させていただく予定でございます。  以上をもちまして本日の検討委員会を終了いたします。ありがとうございました。 資料 ・資料1:令和2年度 横浜市発達障害検討委員会の取組について ・資料2:軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児・者への具体的施策に係る答申について ・資料3:軽度の知的な遅れを伴う、あるいは知的な遅れを伴わない発達障害児・者への具体的施策の展開について【答申】 ・資料4:地域療育センターの抜本的な見直しについて ・資料5:ペアレント・トレーニングについて ・資料6:発達障害に係る「特定相談日」の実施方法に関する検討について ・資料7;特別支援教育の取組状況について ・資料8:第4期横浜市障害者プラン素案(案)