横浜市福祉のまちづくり条例改正の方向性に関する パブリックコメントの実施結果について 横浜市では、「横浜市福祉のまちづくり条例」の改正にあたり、令和6年8月5日に改正の方向性を公表し、市民意見募集を実施しました。市民の皆様から、貴重な御意見をいただきましたことに御礼申し上げます。 このたび、実施結果と本市の考え方をまとめましたので、公表いたします。 1 実施概要 (1) 意見募集の期間 令和6年8月7日(水)から令和6年9月5日(木)まで (2) 意見募集リーフレットの配架場所等 各区役所区政推進課、健康福祉局福祉保健課、市民情報センター、 横浜市ウェブサイト (3) 意見提出方法 電子申請・届出システムオンライン入力フォーム、電子メール、 郵送又は持参、 FAX(ファクシミリ) 2 実施結果 (1) 意見総数、43件 (2) 意見提出者数(提出方法別内訳)、19名、内訳、電子メール7名、電子申請6名、郵送4名、FAX2名 (3) 意見の内容 福祉のまちづくり推進事業に関する御意見、18件 福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見、12件 賛成意見、5件 その他、8件 (4) 提出意見による修正の有無 条例改正の方向性の修正はありません。 3 いただいた御意見と、御意見に対する本市の考え方 (1)改正の方向性1「福祉のまちづくりに基づく施策が、共生社会の実現に資するよう定めます」に関する御意見と 本市の考え方 御意見1、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 多目的トイレをもう少し増やしてほしいです。我が家は10歳の息子がまだ一人でトイレに行けません。しかし女子トイレに連れていくわけにも行かず、出先ではトイレ探しに困ることが少なくありません。多目的トイレであれば、一緒に入れることが出来ます。また実家の家族がストーマになり始めて意識しましたが、ストーマ用の便座がない多目的トイレも少なくありません。色んな人がつかうトイレをもう少し増やしてほしいと思います。ヘルプマークの周知もそうですが、トイレに表示のあるオストメイトマークも、もっと認知が広がればいいと思います。 同じく、市民プールにも家族更衣室を増やしてほしいです。そもそも障害者プールが横浜市内でラポールにしかないのに、今工事をしているので長く使うことが出来ません。地域のプールに連れていきたくても、家族更衣室がないのでそれが出来ず諦めてしまうことも多いです。 本市の考え方1 横浜市福祉のまちづくり条例では、建物に1以上の車いす使用者用トイレを設けることとしています。 また令和7年度には、国土交通省が所管するバリアフリー法の政令改正により、車いす使用者用のトイレの設置数が引き上げられます。 この政令改正に合わせて、横浜市でも車いす使用者用トイレの設置数について検討を行っていきます。オストメイト用設備や案内標示に関する御意見についても、車いす使用者用トイレに関する検討の際に参考とさせていただきます。 また家族更衣室に関する御意見につきましても、今後、福祉のまちづくり条例で定める基準の検討を行う際の参考とさせていただきます。 御意見2、賛成意見 益々のバリアフリー化は良い事だと思う。特に思うのは、健常者とか障害者など、特に区別することはなく、皆平等に生活出来たら良いと思う。 本市の考え方2 福祉のまちづくりのさらなる推進を目指し、取り組んでまいります。 御意見3、賛成意見 良いと思います。 本市の考え方3 福祉のまちづくりのさらなる推進を目指し、取り組んでまいります。 御意見4、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 条例の附則で「近年の少子高齢化や生活様式の多様化など、市民の生活環境は大きく変化し、暮らしが便利になった半面、人と人とのつながりが希薄化し、社会の中で孤立する人が増えるなど新たな課題も生じている。」とあります。共生社会の実現の為には、人と人のつながりの希薄化だけではなく、暮らしが便利になった、その社会資源やツールにつながらない方々に寄り添う施策を具体的に考えてほしいです。 パブリックコメントを提出するにあたり、「わかりやすさ」が不足していると思います。 ・そもそも福祉のまちづくり条例とはどんな条例なのか説明をいただけるとありがたいです。(1例:わかりやすい版はあるのか) ・パブリックコメントを生かす目的をわかりやすくご説明いただきたい。(条例文をご覧ください。だけでは、わかりにくいです。) ・附則にもあるように共生社会実現を目指すのであれば、さまざまな立場の方々の声を聴くべきだと思います。このパブリックコメントの募集方法は、福祉施策に関する知識がある方々向けになっている印象です。さまざまな声を聞き、「法令文をどのように改正するか。」だけではなく、「市民の声を法令文にどうおとしこむか。」という原点を忘れないでいただきたいです。すでに実施済みかもしれませんが、具体的に下記の2点を提案いたします。 1.高齢者施設、障害者福祉施設、こども食堂などに市担当職員が訪問し、対話形式でパブリックコメントを募る。 2.「横浜防災情報E-mail」と同じように「横浜福祉施策情報E-mail(案)」を立ち上げ、パブリックコメント募集や福祉施策情報の提供を行う。 以上のことをすでに実施済みの場合は、市民に届く方法を今一度検討していただきたいです。 本市の考え方4 頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。また関係する部署と共有させていただきます。 御意見5、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 ○法律名なので仕方ないのですが、「障害者差別解消」という言葉が、そもそもは差別ありきのイメージを促しているのではないかと思っています。○観念などによるバリアを解消はとても大切で、物理的なバリアは、人とのつながりがあれば、工夫と努力で解消できると思います。○「共生社会の実現」は、まずは相手を知ること、相手に伝えること、から始まることなので、できる限り、障害者を分けない、子どもの時から、特別支援級や支援学校に在籍しているとしても、共に過ごす機会・場面を多く作ることが、遠回りのようで、近道なのではないでしょうか?○制度や慣行ですが、例えばタクシー料金は障害者手帳があれば一割引になりますが、車椅子の折りたたみや持ち込み、乗降のサポートなど、特に雨の日など運転手の負担が増えるのは事実であり、売り上げを減少するのでなく、補助を設ける等に変更や車両の改良などで、労働者の労働負担を軽くすることによってサービス提供に対する無意識の敬遠が減少すると考えます。○共に生きるとは、共に過ごすことで相互理解が進み、障害者と呼ばれる糸たちは決して特別な人間ではなく、皆同じだと言うことが分かることで、心のバリアを除いていくことになると思います。 本市の考え方5 頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。また関係する部署と共有させていただきます。 御意見6、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 制度や慣行、観念などによるバリアの解消はとても大切だと思うので、方向性1に賛同します。社会では、障害者と接することを避けようとしたり、特別視するような、無意識の差別が根強くあります。それを解消するには、すべての子どもたちが障害のある子どもたちと共に暮らしたり学んだりすることが必要ではないでしょうか。国連に勧告を受けたように、日本ではまだまだインクルーシブ教育が進んでいません。横浜の教育現場でも、少しでもインクルーシブな教育が行われるような施策を推進するなど、方針1を具体化する施策をぜひ進めていただきたいと思います。 また、障害者や障害者の家族が、周囲の無意識の差別や遠巻きの視線に耐えられずに外出を避けるといった状況を少しでも改善するために、地域社会や商店街、様々な施設などで、障害者が出かけやすい状況をつくり、少しでも障害者と交流できる機会をつくることも必要だと思います。例えば地域での楽しみのイベントや防災の取り組みなどは良い機会だと思います。さらに障害者や障害者の家族自身も意識を変えて、堂々とでかけ、積極的に交流してほしいと思います。そうした社会や施設の取り組みへの支援や、障害者自身への働きかけなども施策の視点に入れていただけると良いと思います。 本市の考え方6 インクルーシブ教育について、所管する部署などに共有させていただきます。また障害のある方やそのご家族が外出しやすい環境づくりについて、頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見7、その他 例えば福祉パスを持つ人、敬老パスを持つ人で、地下鉄の有人改札口は、いつもすごい人が並んでいる。折角、敬老パスも電子化したのだから、普通の改札機に対応して共生社会の実現に向かうのではないか。これはすぐにでもできそうな案であるが、いかがでしょうか。 本市の考え方7 福祉パスおよび敬老パスに関する御意見について、関係する部署と共有させていただきます。 御意見8、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 共生社会の実現に向けては、障害は個人が克服するものという個人モデルとしての捉え方ではなく、障害を解消する責任は社会にあるという考えに基づく社会モデルの必要性やその観点で施策を進めていくことが重要だと思います。 本市の考え方8 御指摘頂いた社会モデルの重要性について認識しております。頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見9、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 個人モデルから社会モデルについての捉え方や考え方について明記するとともに、現状課題を踏まえて個人モデルから社会モデルへの転換が求められていることについても、この条例改正を周知していく際に、ぜひ併せて触れていただきたいです。(神奈川県や他近隣自治体は、ユニバーサルデザインの考え方を起用) 本市の考え方9 御指摘頂いた社会モデルについて、さらなる理解促進が必要であると認識しております。頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見10、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 高齢者・障害者等もまた社会資源となり当事者の視点や意見を取り入れること、活躍できる場を推進していくことも入れていただきたいです。 本市の考え方10 御指摘頂いた当事者参画については、さらなる推進が必要であると認識しております。頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見11、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 現行の条例では、不特定多数が利用する側の条例規則はあっても提供側(働く側)としては不特定多数に当たらず特に条例を設けなくても良いとなっている(Q&Aより)。これでは働く能力があっても不可能になってしまうため、支援する側される側という概念を見直し、どちらの視点にたっても合理的配慮がなされるように変更していただきたいです。 本市の考え方11 頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見12、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 共生社会の実現によって、誰もが生きやすくなると想像できるよう、高齢者・障害者だけではなくあらゆる方にとって自分に係ることとして優しさを持って思いやりや想像力を持てるような場づくりが必要だと思います。 本市の考え方12 頂いた御意見は、福祉のまちづくりの推進に関する広報啓発の際の参考とさせていただきます。 御意見13、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 不自由で可哀想というイメージを残すだけにならないよう、お互いに知る機会、相互理解の場の創出が必要だと思います。 本市の考え方13 頂いた御意見は、福祉のまちづくりの推進に関する広報啓発の際の参考とさせていただきます。 御意見14、賛成意見 (方向性について)とても良いです。 自分のタイミングで、もっと気軽に外出がしたい。 ガイドヘルパーがいなくて外出の予定が立てられない。 バスや電車、待たされる。予約が必要などスムーズに行かない。 介護タクシーの料金が高い。 車いす用のトイレが少ない。間に合わなくて・・・。 電動車いすだが、前タイヤが小さいので歩道のちょっとした1cmの段差でも上らないため、段差を無くして欲しい。歩道に上がるちょっとした段差が危ない。 人混みは移動しづらいので、歩道を広げてほしい。 歩道にある折り畳み式のゴミ箱が出ていると車椅子で通れない箇所がある。 本市の考え方14 頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。また関係する部署と共有させていただきます。 御意見15、賛成意見 賛成。 本市の考え方15 福祉のまちづくりのさらなる充実を目指し、取り組んでまいります。 御意見16、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 これまでの条例では、ハード面のバリアフリー化だけでなく、制度や慣行、観念などによる「いわゆるソフトの」バリアを解消することも盛り込まれていたと認識していました。ハードのバリアフリー化の考え方を打ち出す前提ではソフトのバリアフリー化との関わりや考え方をベースにおいていると考えるからです。 その意味では、もっと明確にソフト面を拡充、明記し、両輪でバリアフリー化をはかるという点を強調するということが大切だと思います。 本市の考え方16 御指摘いただきました通り、横浜市福祉のまちづくり条例は、従来よりハードとソフトの両面の取組を推進しているものです。頂いた御意見を踏まえ、ソフト面の取組のさらなる充実を検討してまいります。 御意見17、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 資料の中に「・・・制度や慣行、観念などによるバリアを解消・・・とあります。「観念」というのは、いわゆる「心のバリア」を指しているのでしょうか。施設などの物理的バリアや制度のバリアは比較的わかりやすく、また気づきやすいと思います。その解決も比較的―心のバリアフリーに比べれば―容易だと考えます。それに対して、「心のバリアフリー」の実現は、容易なことではないと思います。しかし、共生社会の実現には、「心のバリアフリー」の実現が極めて重要な課題と考えます。これまでも実施されてきていることと思いますが、研修、啓発を積み重ねていく必要があると思います。市の職員、市会の議員、学校の教職員に対する研修、市民に対する啓発のさらなる充実を期待します。また、未来を担う幼児児童生徒学生への働き掛けも重要だと考えます。健康福祉局のみではなく教育委員会も500校の設置者としての取り組みがなされることを期待します。さらに、障害当事者の意識変革を促す働きかけも重要と考えます。建設的対話による合理的配慮の具現化や障害の社会モデルの考え方は、当事者にもまだ十分に周知されていないと思っています。 本市の考え方17 御指摘いただきました通り、共生社会の実現には、物理的なバリアのみならず、心のバリアフリーが重要であると認識しております。 頂いた御意見は所管する部署などに共有させていただくとともに、福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 (2) 改正の方向性2「合理的配慮の提供を的確に行うための環境整備を新たに責務規定として定めます」に関する御意見と本市の考え方 御意見1、その他 先日川崎のバス会社がアプリで対応できる(?)割引を認識しておらずトラブルになった件がありますが、そもそも現場の人に対応を任せすぎだと思います。バス会社のルールではアプリと手帳を提示、ということになっていたそうですが、アプリを出すならアプリで対応できるようにそもそもシステムを統一してほしいですし、ルールが出来たのであれば現場の方に周知して頂きたいですし、現場の方が激務なのも承知なので、現場の方の負担が大きくならないシステムであってほしいです。市や県もルールを作って丸投げをしないで欲しいと思います。 本市の考え方1 頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見2、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 駐車場などで、障害者向け駐車場などに健常者の方が車を平気で停めている人がいる。非常識だと思いつつ、わざわざの注意も出来ないもどかしさがある。 障害者用車には電子ボタンなどをつけて、駐車場の車留めを自動解除などする様にしてはどうだろうか。 本市の考え方2 横浜市では、今年7月より横浜市パーキング・パーミット制度を導入しました。本制度の導入により障害者向け駐車場の不適正利用が抑止されていることが国土交通省から報告されています。頂いた御意見は、今後のバリアフリー設備の適正利用を推進するにあたっての参考とさせていただきます。 御意見3、その他 横浜市役所に環境整備を促進するための研修施設をつくっていただきたい。 ・横浜市が実施委託をせず、登録した障害当事者が講師となり横浜市役所を会場として、横浜市がコーディネートを行い、定期的に障害理解・ヤングケアラー・高齢者・LGBTQなどの研修を行う。 【横浜市が障害当事者団体等に実施委託をしない理由】 ・委託先が定例化してしまい、講師陣も固定化してしまう。社会的障壁になりうるものとして、慣行・慣例など、ありとあらゆるものを指しています。できるだけ多くの障害者やバリアを感じている方々に参画していただくことで、多くの横浜市民が環境整備の必要性を「実感」することが大切だと思います。失礼を承知で申し上げますと、限られた当事者者団体と横浜市が環境整備への取り組みを行う慣例・慣行ができてしまうことは、他の市民の社会的障壁になってはいないかと、常に向き合うことが大切だと感じます。 本市の考え方3 頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見4、その他 横浜市役所1階アトリウムで、年に1回から2回 障害×〇〇というテーマでイベントを開催してほしい。障害者×防災 障害者×ファッション 障害者×料理などをテーマにイベントを開催してほしいです。イベントの企画・打ち合わせから障害者と例えば消防署職員の方々やファッションブランドの方々が一緒に行うことにより、打ち合わせ会場のセッティング、資料の配布方法など、具体的に障害者のバリアを知ることができ、環境整備の必要性を実感できると思います。求めるだけではなく、好事例をたたえるすべをつくってほしいです。どうしても、求める要素が多くなってしまいがちですが、環境整備の好事例もたくさん横浜市にはあると思いますので、ただしく公表し、横浜市がそれをたたえる仕組みをつくっていただきたいです。 本市の考え方4 頂いた御意見をもとに、好事例の発信について検討いたします。また頂いた御意見は、関係する部署と共有させていただきます。 御意見5、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 卵が先か鶏が先か、となりますが、合理的配慮の提供について認識を深め、実践に繋げるための手続きを新たに設けることにより、規定されたことのみを実施すれば良いという安堵になってしまうことが懸念されます ○市民等は、地域まちづくりを推進するよう努めなければならない。社会的障壁の除去を実施せねばならぬ。北風と太陽というイソップ寓話がありますが、人としての性善説にもとづく、標記を期待します。 本市の考え方5 合理的配慮の提供にあたっては、その場における当事者と事業者の対話が重要であると認識しております。御指摘いただいているように規定されたことのみを実施するのではなく、自ら考え行動していくことの重要性が伝わるよう、福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見6、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 社会的障壁とは、課題1で使われている「制度や慣行、観念などによるバリア」と同じ意味でしょうか。 「合理的配慮」は最近よく使われる専門用語ですが、( )書きでもいいですから、もう少し分かりやすく表現してほしいです。後ろに用語説明がありますが、何のことを言っているのかよく分かりません。その上に、合理的配慮の提供が的確に行われるための「環境整備」「措置」と言われても、さらに煙に巻かれる感じが強まります。そうした環境整備としてどんなことがあるのか、具体的な例示を( )書きで示すくらいのことをしないと、イメージさえ湧かないのが普通ではないでしょうか。 本市の考え方6 頂いた御意見は今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせて頂くとともに、広報啓発の際には、より分かりやすい表現を検討してまいります。 御意見7、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 合理的配慮の提供への理解は、まだほとんど進んでいないように見受けられるので、それを的確に行うための環境整備を責務規定として定める方向性2について基本的に賛同します。その具体的な施策として条例に基づく手続きの中に新たな手続きを設けるのはとても良いと思いますが、そのほか、一般の事業者に対しての理解や実践を促すことを、具体的な施策として検討し、ぜひ実施していただきたいと思います。 また、合理的配慮の提供は、障害者の側から事業者に配慮を求めるところから始まります。障害当事者の側も、合理的配慮を理解し、事業者に対してどのように声をあげ、やりとりをしていくのがよいのか、学び、経験を重ねていく必要があると思います。障害当事者を対象とした講座や学びの場を用意するなど、当事者への働きかけも施策に取り入れていただければと思います。 本市の考え方7 御指摘いただきました通り、「合理的配慮の提供」については、行政や民間事業者へのさらなる理解と実践が求められていると認識しております。ご記載いただいている合理的配慮の提供の実践や理解を促す講座などについて、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見8、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 合理的な配慮の提供を的確に行うための環境整備の促進のためには、「「障害者の「意思の表明」を元とする「建設的対話」」が、大変重要である。合理的な配慮の解釈論のみに目が行くことの無く本当に実効性のあるものにするには、「建設的な対話」を、条例に明記するよう要望する。 特に、前文に、福祉の風土づくり事業以来培ってきた福祉のまちづくりの基本的な考え方である基本的人権の保障、生活者主体の視点並びに市民、事業者及び行政による協働を掲げて、その積み重ねを図って来た横浜市福祉のまちづくり条例においては、その考え方を踏まえての合理的な配慮の実効性を高めるためにも、是非、条例に明記の上で、具体の方策を福祉のまちづくり推進指針に盛り込んでいただきたい。 本市の考え方8 御指摘いただきました通り、合理的配慮の提供にあたっては「建設的対話」が非常に重要であると認識しております。頂いた御意見を踏まえ、合理的配慮の提供についての重要性や実効性を高めるよう、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討してまいります。 御意見9、その他 私は、長年(10年以上)障がい者として生きているが、住む町の民生委員の名前、顔も知らない。いざ災害が起きたとき、どのように障がい者等、社会的弱者と寄り添うつもりか不明。「市→区→町内会」の情報整備が甘いと考える 本市の考え方9 災害時における障害者等の対応について、所管する部署に共有させていただきます。 御意見10、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 改正障害者差別解消法で、民間事業者も含めて合理的配慮の提供が義務化されたことを受けて、従来のハード整備に加えて必要な環境整備を行うために、対話を通じたソフト面での取組についての記載が必要だと思います。 本市の考え方10 横浜市福祉のまちづくり条例は、従来よりハードとソフトの両面の取組を推進しているものです。頂いた御意見を踏まえ、ソフト面の取組のさらなる充実を検討してまいります。 御意見11、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 市や事業者に対して環境整備を責務規定として定めていくにあたり、想定している事項について公開することで、合理的配慮の提供の推進意義の理解と日常の実践に繋がっていくのではないかと考えます。 本市の考え方11 御指摘いただきました通り、環境整備について、具体的に例示することが必要であると考えております。一方で規定されたことのみを実施するのではなく、自ら考え行動していくことの重要性についても併せて周知してまいります。 御意見12、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 横浜市は人口が多く、個別な対応を求めても提供側にとっては少数ではなく負担が大きくなるという傾向があるので、そういった横浜市の特徴も踏まえて個々の特性に応じた合理的配慮となることを願います。 本市の考え方12 合理的配慮の提供にあたっては当事者同士の「建設的対話」によって、互いに理解し、対応案を検討することが重要であるとされています。頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。 御意見13、賛成意見 賛成。 1.横浜市では、相鉄や地下鉄で下りエスカレーターの設備がないところが多い 2.介護保険利用にあたって家庭訪問をすることになっているが、これは利用者にとって不快なこととなる場合も多く、拒否できるようにする(片付いていない部屋を見られるのが嫌だとの理由)。 本市の考え方13 頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。また関係する部署と共有させていただきます。 御意見14、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 何年か前から、登録した者へ市が発信する文書についてその発信元、文書の内容、問合せ先を点字で知らせてくださっています。他の都市で事例を聞きませんし、大変ありがたく、感謝しています。この点では、横浜市は情報提供について先進的な取り組みをしていると理解しています。資料の中に「・・・高齢者、障害者等へ適切な情報提供や合理的配慮の提供を的確に行う・・・」とあります。果して、現状は適格、適切な情報提供がなされているのでしょうか。「広報よこはま」に紹介されている資料について問い合わせをすると、点字がないことがしばしばあります。また、市のHPもtxtデータがなく、pdfでアクセスができないことが多々あります。残念ながら、私たち視覚障害者へは適格、適切な情報提供が実現できていないと言わざるを得ません。市民の中には点字や拡大文字を必要とする市民がいることを再認識していただきたいと思います。認識されればおのずと適切な合理的配慮が提供されると期待します。横浜市が発信発送するものは、「必ず」点字、拡大文字を補償していただきたく強く要望します。中途視覚障害者の中には文字を持たない者もいます。情報提供に際しては、音声、txtデータでの提供も併せて考えてください。横浜市においてもDX話題になっています。昨今の急速なデジタル化は、顔認証やワンタイムパスワードなど視覚障害者に新たなバリアも生じています。横浜市においてはそのようなことはないと信じますが、視覚障害者への配慮に欠けたシステム開発は残念に思います。情報提供については横浜市が率先して実践した上で民間に働きかけてください。「広報よこはま」の点字版、録音版が発行されていることは感謝しています。毎月の中で「・・・点字、録音が無い場合があります・・・」との記載がかれこれ1年続いています。厳しい現実ではありますが、今回の市民意見募集を踏まえたとき、健康福祉局や福祉のまちづくり推進会議の方々は「広報よこはま」のわずかな1文ですが、どのように評価しているのでしょうか。その1文に横浜市のスタンスが表れている、というのは厳しすぎるでしょうか。 本市の考え方14 御指摘いただきました通り、障害のある方への情報提供については、共生社会の実現のため、非常に重要であると認識しております。福祉のまちづくり条例においても、行政・事業者が自ら管理する建物のバリアフリー情報をどなたでも取得できる形で提供するよう働きかけてまいります。また広報よこはまをはじめとした広報物に関する御意見につきましては、関係する部署と共有させていただきます。 (3) 改正の方向性3「障害者権利条約および障害者差別解消法など関連法における理念や考え方を踏まえた条文の見直しを行います」に関する御意見と本市の考え方 御意見1、その他 改正の方向性について、大変良い事だと思います。 ただ、目的の為に市民の血税を値上げするなどはやめて頂きたい。そうなると、真からの共存は難しくなると思う。議員の数や、給料を見直すべきだと思う。不正な請求などがあとをたたず、人格を疑うような議員は辞めて頂きたい。 本市の考え方1 頂いた御意見は今後の参考とさせていただきます。 御意見2、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 社会の変化に合わせて、条文を見直しをすることは必要であると思います。ただし一般市民の認知度が低いので、条例の内容が変わっても条例そのものについて知らなければ意味がありません。 本市の考え方2 横浜市では、福祉のまちづくり推進指針を定め、横浜市における福祉のまちづくりの推進を進めております。御指摘頂いた御意見を踏まえ、市民の皆様への周知について、さらに進めてまいります。 御意見3、その他 見直しを検討する委員の皆さまは、障害種別ごとのバリアを十分に理解されているかと思います。見直しを検討する際には、ご自身とは別のバリアを感じている方々のことも同時に想像していただきたいです。そうすることで新たな気づきや、取り残されている人がいないかという考えにつながることを期待します。 本市の考え方3 頂いた御意見については、本市附属機関である福祉のまちづくり推進会議にて共有させていただきます。 御意見4、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 建築時等、事前協議の整備項目が挙げられていますが、障害種別による近いだけでなく、個人差も多様です。例えば、歩道と車道の段差は、視覚障害の方にとっては歩行の助けになりますが、車椅子の人にとっては障壁、健常者対障害者という構図で考えるのでなく、障害者同士の理解促進、物理的なバリアをすべてなくすことは不可能であり、必要な手助けを求められる心のバリア解消を重点としていただきたい 本市の考え方4 今回の福祉のまちづくり条例改正の方向性として、これまでの物理的なバリアの解消に加えて、制度や慣行、偏見などのバリア解消の必要性を、明記することを検討しております。頂いた御意見を参考に、福祉のまちづくりのさらなる充実を目指してまいります。 御意見5、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 人権や尊厳の尊重は重要ですので、方向性3に基本的に賛同します。条例にうたうだけでなく、方向性1や方向性2に関する具体的な施策を進める中で、その理念や考え方が浸透していくよう努めていただきたいと思います。 本市の考え方5 頂いた御意見を参考に、福祉のまちづくりのさらなる充実を目指してまいります。 御意見6、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 どんな障がいを持っているか、どのように生きているか。そんな生の声を教育の場で活かすべきだろう。学校での生の道徳教育になるだろうし、こういう条約、法があることを小さい子から教育していく横浜ならではの教育を構築してほしい 本市の考え方6 御指摘いただきました子どもへの教育についての重要性について認識しております。頂いた御意見につきましては、所管する部署に共有させていただくとともに、教育部門との連携についても検討してまいります。 御意見7、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 福祉のまちづくり条例についても、障害者権利条約に謳われている人権と尊厳の尊重を基本理念としたものに変換していくことは最重要であると考えます。わかりやすく理念を掲げていただきたいです。 本市の考え方7 頂いた御意見は、福祉のまちづくりに関する広報啓発の際の参考とさせていただきます。 御意見8、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 これまでは人の優しさや思いやり等で支えられてきた部分が大きく、その要素もとても大事な内容ですが、まずはその人自身の人権が尊重され守られることを基調としたうえで、お互いの違いやそれぞれの価値観を認め合うことの大切さに気づける機会に繋げていけることを切に願います。 本市の考え方8 頂いた御意見を参考に、福祉のまちづくりのさらなる充実を目指してまいります。 御意見9、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 自分とは異なる条件を持つ多様な他者とコミュニケーションをとる力とすべての困難や痛みを想像する力を持てる人が育つまちづくりを目指し、福祉のまちづくりによって意識が変わることを望みます。 本市の考え方9 頂いた御意見を参考に、福祉のまちづくりのさらなる充実を目指してまいります。 御意見10、その他 賛成。 1.単身者への差別をなくしてほしい。 2.スマホがロック(かぎがかかった状態になる)ことは、高齢者/障害者にとって致命的である。通信社、プログラマー(プログラミング)等の関係者の適切な対応/改善が求められる。 本市の考え方10 頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。また関係する部署と共有させていただきます。 御意見11、福祉のまちづくりの広報啓発に関する御意見 「福祉のまちづくり条例においては、これらの理念や考え方の反映が十分でない点」というのは、どのような内容のことを言っているのか、主だった内容の要点を示す位はしないと何のことを言っているかがイメージできません。 同じように、「障害者権利条約などの理念や目的を踏まえた見直し」と一言で言っても、その中身や要点をもう少し具体的に言わないと、このフレーズを読む市民、障がい者等はどんな内容が入っているのか、こんな視点が抜けているのかどうかが認識できないと思います。 本市の考え方11 頂いた御意見は今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせて頂くとともに、広報啓発の際には、より分かりやすい表現を検討してまいります。 御意見12、福祉のまちづくり推進事業に関する御意見 資料に「・・・障害のとらえ方については、社会的障壁に焦点をあてた定義をしていますが・・・」とあります。これはいわゆる「障害の社会モデル」のことを言っているのでしょうか。これまで障害は医学モデルでとらえられてきました。基本的なとらえ方を変えることは容易なことではないと考えます。時間をかけて啓発、研修を繰り返していくことが大切だと考えます。障害者権利条約については、社会モデルによる障害のとらえ方と合理的配慮がキーワードと認識しています。合理的配慮は、過度な負担を伴わない範囲で提供され、その実現に向けた建設的対話が重要と認識しています。残念ながら障害者の側には、何でもかんでも合理的配慮として、その実現を強く要望する者がときに見受けられます。また、障害者に合理的配慮と言われると何でも対応しなければならないと誤った理解をしている方もいるようです。重複しますが、障害のある方にも正しい理解をするよう働きかけてください。資料の中に「・・・差別解消法等関連法・・・」とあります。関連法は、具体的に何を考えているのでしょうか。「読書バリアフリー法」、「情報コミュニケーション法」(いずれも略称)は、想定されているでしょうか。これら法律の理念を踏まえつつ、条例への反映に際してはより具体的な内容となるよう期待します。今回の条例改正を機会に、横浜市の情報発信が、必要な人に、必要とする形で、適格・適切になされているかどうかの総点検をしていただくよう併せて要望いたします。 本市の考え方12 御指摘いただきました通り、「合理的配慮の提供」につきましては、建設的対話が重要であると認識しております。国においても「合理的配慮の提供」について、周知を行っているところではありますが、横浜市においても、障害のある方と行政、事業者の双方に広報啓発を行ってまいります。また今回の福祉のまちづくり条例改正の目的としましては「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」等の理念を反映させることにあります。頂いた御意見は、今後の福祉のまちづくりの推進に関する施策を検討する際の参考とさせていただきます。